ダイバーシティ

2021年世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数において、日本は全156か国中120位でした。先進国の中で最低の順位に驚かれた方も多かったのではないでしょうか。ジェンダーギャップ指数は、経済、政治、健康、教育の4分野から構成されています。日本は、健康、教育の分野での男女格差は大きくないのですが、経済、政治の分野での格差が大きいため、全体の順位を下げる結果となりました。

つまり、管理職に占める女性の割合、政治家に占める女性の割合が低いということです。

 では、そもそも なぜ女性の参画が必要なのでしょうか。

 ここには、資本市場が企業に対して持続可能性を求める考えが背景にあります。これまで資本市場があまりに短期的な収益獲得に走りすぎたという反省から、環境との共生や働く人々の満足を大切にしながら、持続的に成長する企業を目指すという考えです。持続的な企業になるためには、企業自体の健全性と成長が求められ、そこにはいろいろな価値観を持った人材の多様性が必要であるということなのです。

もっと簡単に言うと、

 ツーと言えばカー と言ってくれる人たちばかりの組織で新しいものが生まれますか?

ということなのです。

 女性の参画が求められる背景には、このような資本市場の考えがあることを是非知っていただきたいと思います。ダイバーシティを会社の戦略に取り入れるということは簡単なことではありません。今までのように同質なメンバーだけで行われていた意思決定のプロセスに異質なメンバーが入ってくるのです。

ツーと言えば ”それって何ですか?わかるように説明してください!“という人がメンバーに入ってきます。

このプロセスは今までのメンバーには心地よいものとは限りません。ですが、ここを乗り越えないと、

“そもそもツーって何だっけ?”と考えることを始めないと、新しいものなんて生み出せるはずがないのです。

女性の育成を経営戦略に取り組み、会社全員でこの課題を乗り越えるという決意を持つには“ダイバーシティ戦略こそ会社の持続的な成長や競争力に不可欠であるという全社員の理解が必要なのだというところから出発していただきたいと思っています。

 

本内容のセミナーについてお問合せ