
2.会計部門人材の「知識、スキル、意識」向上
過去10年の会計基準の変更や効率化の中で経理におけるOJTが困難になっています。
また、経理人材に求められる資質も“自らの頭で正解のない世界で回答を求める人”へ変質しています。
考え抜くセミナーを経験していただくことがこれからの会計人材へのステップアップにつながります。
また、経理人材に求められる資質も“自らの頭で正解のない世界で回答を求める人”へ変質しています。
考え抜くセミナーを経験していただくことがこれからの会計人材へのステップアップにつながります。
研修プログラム例①「会計の基本」
プログラム名 | 会計の基本(簿記の基本) |
対象者 | 新人~中堅の全社員 |
ねらい | 通常、簿記の入門のアプローチは日商簿記3級取得の学習のように、「習うより慣れろ」式のアプローチであり、演習を多くこなすことで試験の点数が取れるようになり、分かった「つもり」になれるアプローチである。しかし2級合格者でも会計の理論は殆ど分かっていないのが現状である。その方法は多くの実務者にとっては時間的に無駄が多く、理論が分かっていないために応用が利かず、業務の内容の理解ができないことにつながる。ここでは全く異なるアプローチをとる。すなわち、論理的かつ平易にBSアプローチに立った会計理論をしっかりと理解することで、短時間に簿記の基本をしっかりと身に付けることができ、以後も忘れない。 |
アプローチ | 重要なことは「完全に」理解することである。「何となく」分かったという簿記講座は最早不要である。 この研修では、会計理論の基礎理解や財務諸表(CF計算書を含む)のつながりの一体理解などの本質的理解中心の内容とする。 資産負債概念の理解に始まり、差額としての純資産という位置づけを学ぶ。次に交換取引、資本取引を理解する。次に損益取引を理解し、利益剰余金の当期増減としての収益費用概念を学ぶ。 これらのことを、数値が暗記できるくらいの簡単なケーススタディを通じてしっかりと習得する。 |
所要時間 | 1日 |
主な内容 | ・資産負債、純資産の本質の理解 ・交換取引、損益取引、資本取引の理解 ・損益計算書の理解 ・記帳と一巡の手続 ・決算処理の理解 ・個別論点(減価償却、引当金等) 講義ならびにグループディスカッション ・原価計算、法人税の基本の理解 ・キャッシュフロー計算書 |
研修プログラム例②「会計制度の基礎」
プログラム名 | 会計制度の基礎~関連法規制・会計基準・会計を学ぶ順序 |
対象者 | 経理経験数年~経理管理職 |
ねらい | 近年多くの新会計基準が公表されており、一方でIFRSへの対応が求められる等、経理人材にとって習得すべきテーマは非常に多くなっている。 しかし多くの実務者が抱える不安は、自分が新しい知識の本質を理解できているか、現実の仕事への応用・あてはめをどうするか、といった本質的・かつ実務的な点である。 実は新しい会計知識に不安を覚える人の大半が、既存の制度の理解度に不安を有していると私どもは考えている。 制度趣旨からの理解と「学ぶ順序」を習得することで、今後のモチベーション向上につなげたい。 |
アプローチ | 法制度の立法趣旨の学習、各会計基準の背景にある考え方を学ぶことにより、枝葉末節ではない知識とはどのようなものか実感できることを指向する。また「学ぶ順序」を聞くことで、今後の自信につなげる。 |
所要時間 | 1日 |
主な内容 | ・会社法 ・金融商品取引法 ・企業会計原則 ・各会計基準(固定資産減損会計、金融商品会計、企業結合会計、退職給付会計、税効果 会計)の骨子 ・会計を学ぶ順序 ・IFRS時代の本質的問題意識 ・連結会計基準、原価計算基準 |
研修プログラム例③「有報分析」
プログラム名 | 有報分析~2社比較・徹底分析 |
対象者 | 経理経験数年~経理管理職 |
ねらい | 実際の2社(できれば当社と競合先)の有価証券報告書を徹底的に読み込んで、2社の比較分析を行う。 数字を作るだけではなく、利用者の立場に立って「数字を見る」側の経験をして頂く。 日常の経理業務へのモチベーション向上に繋がるだけでなく、他社の決算書の分析力の向上、自社の課題認識・企業目標の理解に役立てる。 |
アプローチ | 「数字」「事実」「評価」という分析の基本を学ぶこと、 基本的な財務比率の意味を理解すること、 利益の源泉とリスクの考え方を学ぶこと 有価証券報告書の内容を見渡し、知識の確認をすること、 開示されていない情報について、必要性を痛感して頂くこと。 |
所要時間 | 1日~2日 |
主な内容 | ・分析の基本 ・財務比率の解説 ・利益の源泉とリスク ・有価証券報告書の内容の座学 ・2社の有報を用いてのグループ形式による分析の実践 ・分析結果のプレゼンテーション |
研修プログラム例④ファイナンス基礎理論、固定資産減損会計-テーマ別掘下げ
プログラム名 | ファイナンス基礎理論、固定資産減損会計(テーマ別掘下げの一例) |
対象者 | 経理経験数年~経理管理職 |
ねらい | 各会計基準の理解が不十分なことにより、表目的な知識に留まり、ひいては経理人材の当事者意識の欠如につながりかねない。 本講座は、そのような問題意識から、むしろ前向きにしっかりと各会計基準の本質的意味を理解することによって、改めて「会計への興味」を喚起し、さらに実務への積極的応用の意欲につなげる。 |
アプローチ | ファイナンスの基礎理論と固定資産減損会計の座学を午前中に行い、午後はグループ単位でケーススタディに挑戦していただく。ケーススタディでは、擬似的な実務環境の中で「会計について悩む」経験を通して、実務にすぐに応用できる姿勢とスキルを身に付けていただくことをめざす。 |
所要時間 | 1日 |
主な内容 | 1.ファイナンスの基礎理論 ・ビジネスの収益性(ROI、ROA、ROE、資本回転率、売上利益率) ・財務レバレッジ ・WACC、CAPM ・DCF ・その他の投資経済性計算(IRR、差額原価収益、回収期間) ・シナリオ分析 2.固定資産減損会計 ・基準の概要の復習 ・会計処理の復習 ・減損対応の基本的な考え方 3.グループ演習「ケーススタディ」 ・実際の企業の減損対応についてのシナリオ作成 ・経済効果(利益とCF)の追求 4.まとめと落とし込み ・会計の本質的理解と経営とのかかわり |
研修プログラム例⑤「管理会計の実践」
プログラム名 | 管理会計の実践 |
対象者 | 財務・経理経験数年~管理職 |
ねらい | 管理会計は知識でなく、経営に役立つ知恵であり、ツールであるという本質について学び、考える。 管理会計的な思考とはどのようなものか、演習を通じて自分の頭で考え、身に付ける。 管理会計の基礎的な知識を謙虚に学ぶと共に、それを鵜呑みにする危険についても考える。 管理会計に加えて、現代のファイナンスとして必須の知識を整理し、確りと習得する。 |
アプローチ | まずは管理会計の概論として、企業会計の分類や各会計が活用される場面、また管理会計にとって重要な概念を理解する。 次に各論として、コストマネジメントにおけるABC・ABM、コストダウンの実践活動として上流段階におけるコスト意識を徹底するための原価企画、利益管理におけるROA・ROE・損益分岐点分析、予算制度と当該制度を業績評価に結び付けた場合の限界、業績管理の考え方等を学習。 最後にまとめとして、データが取れないものを見落とす落とし穴や実務上陥りやすい罠の数々に触れ、管理会計の活用をめざす。 |
所要時間 | 1日 |
主な内容 | ・管理会計概論 ・原価計算 ・コストマネジメント ・原価企画 ・利益管理、意思決定 ・予算管理 ・業績管理 |
研修プログラム例⑥「監査の受け方」
プログラム名 | 監査の受け方 ~監査を知ることは経理の能力を伸ばすことである |
対象者 | 経理経験数年~経理管理職 |
ねらい | 近年新会計基準への対応や開示の拡充により経理担当者ならびに監査人の負担が以前に増して高まっているが、監査への対応は、負荷が増えると捉えるのではなく、予め準備し仕事の計画に組み込んでおくことによって、大きな改善を図ることができる。 そもそも監査人はどこを見ているか、何を知りたいのか、どのような資料を必要とするのか、について「監査を受ける立場」から体系的に学び、業務改善に結びつけることをねらいとする。 |
アプローチ | レクチャーだけでなく、グループディスカッションを通じて、実践に落とし込むことまでを視野に入れる。 最終的には、監査人の視点や手法を知ることが、経理人材としての能力向上にいかに役に立つかを改めて実感してもらう。 |
所要時間 | 1日 |
主な内容 | 1.監査の実際 ・財務諸表監査の意義と監査人の独立性 ・監査人の責任と権限 ・監査計画 ・外部監査の実施と基本原則 ・監査手続(貸借対照表項目、損益計算書項目等、応用編) 2.監査の失敗事例研究 3.グループディスカッション ・監査対応の事前準備のあり方について考察する課題 ・実際の会計業務への落とし込みに関する課題 |