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有価証券の減損処理

 金融商品会計基準により、売買目的有価証券及びその他有価証券については原則的に時価をもって貸借対照表価額されており、有価証券の減損を検討する場合は、これ以外のケース、すなわち、評価差額が純損益に計上される売買目的有価証券以外の有価証券に係る時価又は実質価額の著しい下落に伴って、当該時価又は実質価額を翌期首の取得原価とするために、取得原価を強制的に切り下げ処理することを有価証券の減損処理ということとされている。
 そこで、今回の問題としては、時価のある売買目的有価証券以外の有価証券すなわち「その他有価証券」の減損処理を令和2年3月31日に決算を迎える会社がどのように検討されるかを考えてみたい。
 会計基準では、時価が著しく下落し、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理が必要となるとしており、時価が著しく下落しているかどうかは,時価の下落率を①30%未満の場合②30%以上50%未満の場合③50%以上の場合に分けて判断される。ただし、金融機関のように有価証券を多額に保有し重要な資産と認められる場合はともかく、一般的な事業会社であれば、③の場合のみで判断されているものと思われる。したがって、現在の株式市場の状況から、50%以上の下落率のあるその他有価証券が今までになく多く発生するものと予想され、その対象有価証券に対して個別に回復可能性の検討が必要となるのではないかと予想される。
 会計基準には、「「回復する見込みがある」と認められるときとは、時価の下落が一時的なものであり、期末日後おおむね1年以内に時価が取得価額にほぼ近い水準にまで回復する見込みのあることを合理的な根拠をもって予測できる場合をいう。この場合の合理的な根拠は、個別銘柄ごとに、株式の取得時点、期末日及び期末日後における市場価格の推移及び市場環境の動向、最高値・最安値と購入価格との乖離状況、発行会社の業況等の推移等、時価下落の内的・外的要因を総合的に勘案して検討することが必要である。」としている。したがって、銘柄ごとに回復可能性を立証する必要が生じる。
また、一方で、「時価の下落が、短期的な景気循環や市場における金利や為替等の諸要因の変動によって、おおむね株式市場全体について生じている場合などで、固有の変動要因等がない銘柄については回復する見込みがあると通常は判断できる。」としている。
 今回の株式市場の変動が「パンデミック」という異常な出来事によるものと認められることになれば、、銘柄ごとに回復可能性を立証する必要が無くなり、減損処理を行う必要はなくなると考えられる。
 ちなみに、野村證券の計算では、1900年以降のダウ工業株30種平均の週次リターンが統計学上の正規分布になると仮定して計算したところ、今回の株式市場の出来事は発生確率が1600億年に1度の出来であるとしている。(日経新聞3月14日)

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